学業を終えた若者が、社会に出るため職を求める、その行為のためにこれだけ皆同じ洋服を着るのは、日本だけではないだろうか?それでもアジアにはまだ中国とか北のあの国とか、大勢が同じものを着るという習慣がなきにしもあらずだが、この光景をヨーロッパ、特に「個」の意識の強いイギリスやフランスの人が見たら唖然とするかもしれない。私たちの若い頃はここまで統一されていなかった。一応皆スーツを着て試験を受けに行ったが、色も柄もバラバラだったと思う。男子は似たような紺色のスーツを着ていたが、女子が開襟のブラウスに紺色のスーツという定番になったのはまだ最近のような気がする。やはり明るい色のスーツなど着れば、いっぺんに人事の人に目をつけられて、面接を受ける前から結果はわかっている、というようなことになるのだろうか?なんだかつまらない世の中になっているなぁ。
私はcafeが好きなので毎日のようにコーヒーを飲みに立ち寄っているが、そこで必ず出会う彼らははて、来年の就職のために、一年以上も前からため息をつきつつスケジュール帳とにらめっこしているのだろうか?青田刈り厳禁などと叫ばれていた頃が懐かしくなるくらい、今は採用する方もされる方も先を急いでいる。しかし、これだけ皆が同じかっこうをしていると、よほど中身でアピール出来ないと、全く目立たない。服で目立つということが出来ない分、ある意味余計ハードルは高いのかもしれない。今の若い人は若い人で大変なことも多い。どうか、彼らが希望の仕事に就けますように。