人込みが好きだ。もう少し詳しく言うと、人が集まるべきところに集まっている状態が好きだ。例えば、意味もない騒ぎや一時のブームで「なんでもないところ」に人が集まるのではなく、お祭りや夏の海、各種イベント、バーゲン会場(笑)。そういうものには思いっきり人が集まってほしい。私は、そういう「人でいっぱいの中」を「すごい人やねぇ」などと言いながら歩くのが大好きな変わり者である。逆に言うと、そういう場所に人が集まっていない状態はたまらなく寂しい。いまいち盛り上がらないお祭りや、企画倒れのイベント、冷夏の海水浴場、営業不振の遊園地...。みんな同じたそがれた匂いがして、思い出さなくてもいいことを思い出したりする。
長い間このブログを更新せずにいたので、さぁ新春第一弾は何を書こうかと考えていた時、とんでもないニュースが飛び込んできた。韓国の最大遊園地ロッテワールドが休館するらしい。正月にふさわしいニュースではないが、私は即暮に親友からもらっていたこの写真を思い出した。これは日本の某遊園地だけれど、どこであっても、遊園地の閉鎖は哀しい。止まったままの遊具の向こうからかつての喧騒が聞こえる。幼い頃楽しんだ遊園地はほとんどなくなってしまった。ロッテワールドの休館は遊具の点検を怠った結果安全の保証が得られないとかそういう理由だったと思うが、ソウルの街角インタビューがとても印象的だった。ビジネスマンは「そんなもの、まだ行く人がいるの?」と言い、「もっと早く閉めるべきだったのよ」と若い女性は言っていた。地元の人たちの意外なまでのドライさとは対照的に、日本の観光客は「ここはドラマ『天国の階段』に出てきたところなのよ」ととても残念そうだった。聞いていて不思議な感じがした。